事実上世界初、オートフォーカス一眼レフカメラ「α9000」をゲットし、「第2のカメラマン人生」をスタートさせた私であったが、悲しいかなカメラの知識も、まして撮影に関する知識は皆無であった。私は、オートフォーカスでカメラがピントを合わせてさえくれれば、どんな場合でもピントの合った、きれいな写真が撮れると信じ込んでいた。「手振れ」も「被写体振れ」も言葉さえ知らなかった。露出の概念も、シャッタースピードも、順光も逆光も意識すらしていなかった。とにかく、カメラがすべてやってくれると信じていた。最初は喜んで使っていたが、何せこれまでの愛機、リコーの「FF-1S」に比べれば、重い、でかい、目立つの三重苦であった。そのうち、できあがってくる写真を見てふと気づいた。「ろくな写真が撮れていない」。「おかしい」と感じた研究熱心な私は、従来の愛機、リコー「FF-1S」で撮った写真と比べてみた。圧倒的に、「FF-1S」で撮った写真のほうが歩留まりがよかった。私は発見した。「このカメラ(α)は壊れている」。私はすぐに友人「f」を呼びこう言った。「すぐに交換しろ」「f」はすぐに機材を引き取ってくれた。そして暫くしてまた私の所へやってきてこう言った。「カメラは、正常だった。おかしいのは、お前の撮り方だ」と。 俄には信じがたい話であったが、同じカメラで「f」が撮った写真を見せられ、且つ、いささか講義を受けて、納得せざるを得なかった。私はその時初めて「手振れ」なるものの存在を学習した。
本日の教訓:皆さん「手振れ」には充分ご注意を!ボケ写真の原因のほとんどは、「手振れ」だそうです。